Diary

日記

(23-10-2022北杜自主上映)
〜日本の入管法はこのままで良いのか?映画『東京クルド』を観て〜
入管収容者に対する非人道的な扱いを問題で世論が高まり、入管法改正案は事実上廃案となった。入管施設でウィシュマさんの死や技修生(実質上外国人労働者)問題など、さまざまな状況下に置かれている外国人の日本滞在状況の難しさとビザ発給問題は依然として変わっていない。

国なき3000万のクルド人は、主にトルコを中心にイラク、イラン、シリアなどの国境に住んでいる民族で、独自の文化と言語を持つ。

2014年にクルド人支援の方とNPO法人難民支援協会は、私が在日外国人音楽家であることから支援コンサートの依頼があった。当時クルド人は300人程度、現在は1500人以上とのこと。10年で難民認定わずか2人だった話しもその時知った(現在世界の難民受け入れ率カナダやドイツなどを50%占める先進国の中で日本は1%にも満たない)。

わたし自身の体験を記す。
来日36年のうち最初の13年間において音楽留学生として、桐朋学園大学3年と東京芸術大学10年の在学で、年に一度留学生ビザの延長申請のために入管へ、つまり書類出して申請し、通知を受けてビザの印を受けて再度入管への繰り返しで数えない回数で入管へ赴いた。手続きといえば、まず在学証明のほか身元引受人の在職証明、納税関係などを揃ってもらうために、散々保証人に面倒な書類を一年一回揃えてもらうこと、これは本当に心苦しい思いだったのを忘れられません。もちろん保証人を見つけるために日本人と結婚することやお金で買うなど本意ではない行為が発生しているのも周知であろう。
入管ビルに入ると狭いところに外国人で埋め尽くされ、乳幼児を抱えた女性から年配の方まで、良い顔をしている人はほとんど見受けないし、誰しも心配そうな顔をしている。自分にはビザはスムーズに降りるのか? 現場では入管職員のあまり良いと言えない態度の対応に対して、イラタツ人は喧嘩の顔で不満を訴えてはますます空気が悪くなる一方で、並びに並んで却下された入管での手続きは、その場に居合わせるだけでも十分不愉快だったことを覚えている。
しかし、この30数年外国人滞在のための入管法はなにも変わっていないことに気持ちは沈んだ。わたしの場合は、奨学金申請も含めれば、どれだけの回数で芸大の恩師に推薦状をお願いして書いてもらったか、思い出すと本当にお世話になった。

映画は2015年から撮り始め7年を要して完成した2021年時点のことを記録している。
外国人として日本で生きる自分のことと重なり、涙は止まりませんでした。
映画の主人公、18才のオザンと19才のラマザンは小さい時に両親と共に祖国トルコから逃れ日本にやってきた。差別的な入管法、1%に満たない難民認定率、それでも青春を日本で生きる二人の記録。
彼らは難民認定にならない、滞在ビザももらえない。大学に入っても学生ビザの申請も困難重々、日本での滞在身分は非正規滞在者、『仮放免ビザ』という都合のいい一時的なもの。
漢字の意味から仮は借、一時の間に合わせ、仮装。しかも仮放免滞在は裁量の自由でいつになれば、滞在可能なビザになるかは知る余地がない、無期限だという。オザンの場合は次の1ヶ月滞在のために救いを求める人々に対する差別的な仕打ちは、まさに絶望の国で暮らす彼らの希望を奪っている。
月滞在のために月一回品川の入管へ行かねければならない、というとんでもない不合理で無駄なやり方に人間の自由と権利を無視していることに険悪な気持ちをさせられました。ラマザンの叔父であるメメットさん(38才)は1年半に及ぶ収監生活をあの品川入管ビルで行われている自体、気分を害することである。それは日本にいるすべての外国人居住者がビザ申請や延長手続きのために訪れる東京入国管理局の建物と同じビルの上層に収監所があること、で行われた、はっきりした理由はなんであったのかさえも不明であった。子供たちと一緒にいたい、家族と居たいと痛心の声が届かなかったこと、また、体調不良を訴え救急で病院へ運ぶがなぜか2回送り返されるという悲惨の事態の上、後に手錠と腰紐をつけて、入管職員の付き添いで通院があった。
最後に、ラマザンと家族で弁護士を通じて滞在資格を申請したところ、彼と弟だけは滞在ビザを許可され、日本生まれの妹たちと両親の滞在ビザは降りなく、依然として仮放免であった。世間に知られてはいけない、条件は彼と弟だけならどうしますかとの裁量結果になった。
裁量判定?条件と判定基準はどんなものでしょうか?
 《仮放免》である以上、住民票、健康保険もない。おまけに仕事できない、自由に移動することもできない。小さい時から日本で生活してきているにもかかわらず、世間の認識や理解が足りないことで、大学進学して教育を受ける機会もさえ難しく壁に打ち当たってしまう。理不尽だらけの現実は先進国日本の出入国管理法の欠如を改正すべく、推論では今世紀末日本の人口は5千万人までに減少、日本の国力はまったく無力になっていくことを認識し、裁量的なやり方を無くし、法的基準を定めてふさわしい先進国日本になって欲しい!